GENESIS STUDY PHASE II

二日目の創造:天の広がり

原語から解き明かす「ラキーヤ」と洪水の物理学

前回の復習

モーセは単なる筆記者ではなく、神の直接啓示を受け五書を著しました。原語構造が証明する「一人の著者」。そして、地は混沌(カオス)ではなく、神がこれから完成させる「見えなく未完成」の状態でした。

1. ラキーヤ(大空)の出現

創世記1:6-8において、神は「水と水の間を分ける」広がりを造られました。

רָקִיעַ

ラキーヤ:「広がり」「叩き伸ばされた堅固な空間」

キャノピー説の否定

かつて支持された「水蒸気天蓋説」は、現在ではAIGなどの主要創造論団体も否定的です。聖書は太陽や星がこの「ラキーヤ」の中にあると述べています。

宇宙に浮かぶ水

「上の水」は地球の大気圏ではなく、宇宙の果て、あるいは天体間に存在する水分子(星間雲)を指す可能性があります。

2. なぜ「良し」と言われなかったのか

二日目の創造の終わりには、他の日にある「神は見て、良しとされた」という言葉がありません。ユダヤ教の伝統(ミドラーシュ)では、この日に分けられた水が、後に人類を裁く「大洪水」に用いられるためであると解釈されます。

3. ノアの洪水の水源:物理学的考察

全地球を覆う水はどこから来たのか? 聖書は「二つの水源」を明記しています。

現在の地球における水の分布:

96.54%
1.74%
1.72%

※地表が平坦化された場合、現在の海水だけで地球全体を2.7km以上の深さで覆うことが可能です。

4. テホーム(深淵)の叫び

巨大な源泉

創世記7:11「大きな深淵の源がことごとく裂け」。地殻変動を伴う地下水の噴出。これが現在の海嶺や海溝形成の起点となりました。

天の水門

「天の窓が開かれた」。単なる雨ではなく、ラキーヤ(天)に蓄えられていた水が物理的に降り注いだ歴史的事実。