創世記1章:創造の基盤

起源科学を超えた聖書的世界観の回復

1. 二つの世界観

無神論的世界観

自然のみ。起源科学を絶対視。偶然と長い年月による大進化を前提とする。

聖書的世界観

自然+超自然。創造主による例外的な介入。歴史としての創世記を信頼する。

創造論の3つの潮流:
1. 若い地球創造論(6日間、24時間、直近の創造)
2. 古い地球創造論(数十億年を聖書に挿入)
3. 有神論的進化論(神が進化を用いたとする妥協)

2. 現代解釈の陥穽

ギャップ説、キャズム説、日時代説... これらは「起源科学」と「聖書」を調和させようとする西洋的な試みですが、ヘブライ語の構造(ペリコーペ)を無視しています。

批判: 1:1-2の間に数億年を置く根拠は聖書内になく、サタンの堕落をここに読み込むのは後の時代の憶測に過ぎません。

3. イエスの証言

主イエスは創世記を比喩ではなく「歴史的事実」として引用されました。

「しかし、創造の初めから、神は人を男と女に造られました。」(マルコ10:6)

4. 創世記1:1の深淵

בְּרֵאשִׁית ベレシート

「初めに」
時間・空間・物質の同時創造

בָּרָא バラー

「(神が)創造した」
無からの創造。神のみが主語。

אֱלֹהִים エロヒム

「神」
複数形であり、三位一体の神を示唆。

キリスト中心の構造: 聖書の最初の文字(ベート)と最後の文字(ヌン)を組み合わせると「ベン(息子)」となり、創造の初めから御子キリストが中心であることが示されています。

5. 初日のプロセス

トフー・ワ・ボーフー(1:2)

「見えない・未完成」。混沌ではなく、これから神が形作られる「素材」の状態。地は水に覆われ、神の霊が水面を動いていた。

「光、あれ」(1:3)

太陽以前の光。神のシェヒーナー(栄光)の現れ。これにより時間(昼と夜)と自然法則(電磁波、重力等)が樹立された。

ヨム・エハド(1:5)

「一日」。夕があり、朝があった。地球の自転による24時間周期の確定。

結論:持ち帰り

モーセの理解: 出エジプト記20:11にある通り、モーセは六日間を字義通り理解していた。

イエスの権威: イエスを信じることは、イエスが信じていた創世記を信じることである。

信仰の土台: 創造を歴史として受け入れるとき、救いの計画(堕落からの回復)が真実味を帯びる。